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高野山を「感じて、触れて」欲しい

#ミュージアム#大森 照龍#歴史#高野山

霊宝館館長

大森 照龍さん

霊宝館は、金剛峯寺をはじめ、高野山に伝えられている貴重な仏画・仏像などの文化遺産を保護管理し、一般にも公開する目的で大正10年(1921年)に開設された、博物館相当施設です。今回は霊宝館の大森館長にお話を伺いました。

高野山の魅力や楽しみ方について教えていただけますか?

高野山は「感じる」ことができる場所なんです。最近ではパワースポットなんて言い方をされますね。あれは要するに、昔から人々が大きい石や木など、一生懸命に崇めてきた、お詣りをしてきた時に感じていた事と同じなんですよね。現代の日本人にも、きっとその感覚があるはずなんです。まずは、考えずに高野山に来て「感じて」欲しいと思います。

霊宝館には国宝・重要文化財も多くありますが、未指定品も含め10万点ほどの収蔵品があると伺いました。

もちろん、霊宝館には経典や仏像など、重要文化財や国宝がたくさんありますが、霊宝館以外にも高野山には他であれば厳重に管理されるような文化財が数多く、それも日常的な生活空間に存在しています。宿坊に行かれると体感できると思いますが、掛け軸や襖絵、障壁画など何百年も前のものが普通にあるんですよね。高野の人の中には江戸時代にできたものなんかは最近のものっていう人がいるぐらいです(笑)。

とある中学生が学習発表会で高野山のことを『寺の中に街がある』って言っていました。すごく的を得ていて面白いことを言うなと思いました。

山内のそこらじゅうに、歴史的な品々があるというのは学芸員的な目線で見たらすごく不思議なことだと思いますけど、高野の人間からしたらこれが普通なんです。この普通は、ものを大切に扱った先人の徳があってこそだと思います。

霊宝館の館長として高野山の未来への取り組みについて教えてください。

やはり、後輩を育てる事が大事ですよね。

コロナになって実習をする機会が減ってしまいましたが、私は実施主義なんです。座学で勉強することも大事ですが、実際にものに触れて扱えるようにしないといけません。そうした事ができる後継者を育てないとダメだと思います。

お寺にいるお坊さんの中にも仏像や経典に触ったことがない人がいます。私は、昔の人から大切にされてきたものに触れることで、自分もまた大切にしようと考えられるようになると思っているんですね。

だから、実際にものに触れて、扱える人を増やしていきたいです。高野山内だけでなく高野山系地方寺院の若者や学芸員とか。この霊宝館から全国に波及させていきたいです。ただ置いておくだけでなく、手入れや公開をできるようになって、その知識が広まればいいと思います。そうすればお寺の見方も変わってくると思っています。

大森 照龍(おおもり しょうりゅう)

1961年、栃木県生まれ。高野山霊宝館館長・最勝院住職。

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