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空海が立体化した悟りの世界
高野山
壇上伽藍 根本大塔
壇上伽藍で最も高く、高野山のシンボルでもある大塔は、それまで日本にあった五重塔や三重塔ではなく、真言密教の根本道場としての悟りの世界を立体的に表現するために、空海が考案した日本で初めての多宝塔です。現在の建物は1934年(昭和9)に鉄骨造で再建されました。
ナビゲーター:株式会社尾上組 代表取締役社長 尾上 恵治さん
根本大塔の高さの秘密
大塔の高さは約48mですが、こうした寸法はお釈迦様の身長が元になっています。「丈六」と呼ばれることもありますが、お釈迦様の寸法は一丈六尺(=16尺)、現在の寸法に換算すると約4.8m(1尺=約30.3cm)。物凄く大きいですね…。
空海がこうした大塔を考案する以前、仏塔建築には「多宝塔」という概念はありませんでした。五重塔や三重塔のルーツは、すべてお釈迦様の骨である仏舎利を埋めた跡に建てられたストゥーパを模したものでした。サンスクリット語の「stupa(仏塔)」に由来するもので、元は「釈迦の墓」という意味です。
パワーを放出するアンテナ
空海が構想した多宝塔は釈迦のお墓ではなく、悟りの世界を立体的に表したものです。外からは二層に見えますが実は一層で、内部は吹き抜けになっています。そのため、一層目の屋根に見えるものは巨大な軒の庇で「裳階(もこし)」と呼ばれています。
その裳階の上に、丸くて白いお饅頭のような形がありますよね。あれは亀腹という形式なのですが、実はアンテナとしての役割を持っています。パラボラアンテナのように吸収するのではなく、建物の内側にある、宇宙の中心である大日如来さんの法力を四方八方に放出する装置として作られているのです。亀腹の中には、一般には公開されていませんが、凄く大きな金色の宝珠が納められています。
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