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奥深い高野山の魅力を発信
高野山 青巖寺副住職
高井 知弘さん
地元ラジオ局「FMはしもと」ではパーソナリティとして毎週、高野山に関する歴史や催事などを紹介。2010年に開設したインスタグラムではフォロワー3万人に高野山の魅力を発信されている高井さんに、奥深い高野山の楽しみ方を伺いました。
年間行事に参加することがオススメ
高野山には、壇上伽藍や奥の院、金剛峯寺、霊宝館など非常に多くの見どころがありますが、深く高野山を知っていただくには年中行事に参加することがお勧めです。6月には高野ねぶたが山内を巡行する青葉まつりが開催されます。昔はもっと年中行事が多かったようですが、奈良の影響を受けたり、時代によって流行も含めて形が変化したりと、行事の歴史を遡るのも面白いです。
高野山は、いわゆる神事、神さまと関わる年中行事も非常に多いのが特色です。お大師様(弘法大師空海)がこの地を地主の神さまから賜って以来、土地の神さまをお祀りする御社がつくられるなど信仰は広まり、現在でも行事を通じた土地の神さまへの信仰は色濃く残っています。
幻想的な雰囲気で執り行われる論議の場
旧暦6月(7月初旬)には、御最勝講(みさいしょうこう)という、最も古い伝統行事の一つがあります。旧暦の6月9,10日の朝、金剛峯寺大広間では、学道という修行中の僧が、高野山内の諸住職の前で問講を披露する内談義(うちだんぎ)という行事があります。夕方からは山王院に場所を移し、互いに学んだ事を戦わせる論議が行われる御最勝講が始まります。いわば試験のような行事ですが、だんだんと日が落ちてくる中で、松明やロウソクの灯りと共にお経が聞こえてくるという…非常に幻想的な雰囲気を味わうことができますし、高野山が修行の地であることが良く感じていただけると思います。
御最勝講の様子(高野山ぐらむより)
誰でも参加できる体験型儀式
法会というのは、目や耳、身体全体など五感で感じていただく体験ですが、中でも特別なのは結縁灌頂(けちえんかんじょう)です。多くの法会は、あくまでオーディエンスとして参加するだけになりますが、結縁灌頂は自分自身が道場の中に入って参加するいわば体験型の儀式です。お大師様とご縁を結ぶという、密教的にも非常に重要な意味があります。
高野山は学べば学ぶほど、わからないことや発見に満ちています。年中行事はそうした疑問のヒントになることも多いので、是非予定を合わせてお越しいただけたらと思います。
高井 知弘(たかい ちこう)
1974年、和歌山県生まれ。総本山金剛峯寺奉職後、高野山 青巖寺副住職・高野山大霊園事務長・高野山専修学院能化(近代真言宗史)・高野山学講師。10年程前よりSNSを通じ高野山の情報を積極的に発信。2016年からFMはしもと「ラジオ寺子屋・高野山」パーソナリティーを務める。
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